アメリカ二度目の長澤です。今回はSouth Dakota州Sioux Fallsという町から車で40分離れた、度・田舎の病院で実習をしています。病院のまわりは見渡す限りの田んぼと小さな集落があるだけで、ここの施設には外来、救急、病棟、長期療養所があり医師は3人、看護師10人(くらい?)、その他職員50人(くらい?)が勤務しています。
実習内容は主に見学ですが、外来で初診がくると問診診察/プレゼン、入院患者が入ると問診診察/カルテ記入をしています。言うまでもありませんが、問診診察/プレゼンでは馬場先生の授業がとても役に立っています!数をこなすうちに大分上達したように思います。しかしStanfordでもそうでしたが、英語でのカルテ記入が困難を極めています。僕は順天堂では医者が書いたカルテをもとにしてなんとなく1号紙を書いていたのですが、アメリカでは白紙に新規入院はH&P (CC, HPI, All, Meds, PMH, FH, SH, ROS, PE, Result, Problem list, Assessment, Plan)を、継続入院はProgress note (SOAP)を自分の力で書かなくてはなりません。しかもAssessment & Planは自分で病態/薬/投与方法/投与量/投与期間を調べて記入します。カルテ記入は日本でトレーニングしていかなかった(まさかカルテを書くとは思っていなかった)ため、最初はとてつもなく時間がかかりました。最終的に2ヶ月のアメリカポリクリを通して10人ほどの入院患者のH&PとProgress noteを書くことができました。形式に関しては、先生が書いたカルテをいくつか丸暗記して、その中に出てくるテンプレートに慣れてしまえば簡単です。しかしHPIはテンプレートだけではカバーできず言いたいことを正確に、自然な英語で表現するのが外国人にとってかなり困難だと感じました。あと海ポリ向けの授業で行った診察/プレゼンと同様に、英語でのカルテ記入も練習して行けばよかったと後悔しました。
South Dakotaでの生活に関してですが、1週間目は鬱状態でした。天気が悪く、実習が大変で、病院まで40分の運転は眠くて辛いし、一人寂しく自炊をし(しかもアメリカのスーパーで買った物で日本食を作っていたので美味しくない笑)、本当に日本に帰りたいと思っていました。しかし2週間目に気分が一転。理由の一つはポリクリ後にゴルフでハーフラウンドができることに気付き、二つ目はアメリカにある日本食スーパーから通販で日本食を取り寄せたことです。笑 ゴルフに関してですが、こちらは土地が安いためフィーが激安。クラブをレンタルしてもハーフで20ドル弱、日が沈むのが9時近くなので5時に実習が終われば余裕をもってプレーできます。ここで初めてプレーしたときは1人で回れたのですが、その時以外は現地の人と一緒でした。知らない人とプレーするのは最初緊張しますが、回っているうちに仲良くなれます。また会話のよい練習にもなりました。日本の食材に関しては取り寄せて大正解でした。美味しくないものばかり食べていては元気が出ないこともわかりました。今まで一人暮らしをしたことなく、カップラーメンしか作れなかった僕ですが、日本食を食べたい一心でちょっとした料理つくれるようになりました。
「アメリカの医療とは」を書きたいですが日本の医療との違いは星の数ほどあって書ききれません。しかしそれら全ての違いの根本にあるのは「医療保険制度の差」であると思います。アメリカの医療だけが決して最先端ではありませんし、システムも完璧ではありません。「合理化」が進んでいるので医者は働きやすい環境にありますが、「お金の絡んだ合理化」がむしろ進みすぎて医療の質を落としている側面も目にしました。
アメリカの医療で素晴らしいと感じたのは教育システムです。「アメリカの医学生は日本の研修医よりもできる」という噂は本当でした。これはアメリカの学生が日本の学生よりも多く勉強しているからではなく、教育システムがそうさせているのだと思いました。これに関してはまた時間があったときに。。。