2011/04/23

アメリカ最終日

アメリカのスタンフォード大学で感染症を回っている長澤です。今日が最後のスタンフォードです。

日本ではまだ見ることができない、目新しいことを書こうと思います。


まずは第五世代セフトリアキソン。

Ceftaroline(セフタロリン)という抗生剤が米国国内で使用されています。つい最近発売になったそうで、Stanfordの感染症科でもさっそく患者に投与しています。AttendingにCeftarolineって何ですかと質問したところ、翌日論文を複数コピーしてきてくれて回診の前に勉強会が開かれました。 

 大きな特徴はMRSA 、特に皮膚の感染に対して効果があるということ。今までMRSAといったらバンコマイシン、バンコに耐性/アレルギーがあったらリネゾリド/ダプトマイシンなどでした。セフタロリンはバンコ/リネゾリド/ダプト耐性株にも効果があるということで、抗菌薬の選択肢が広がったことになります。現在報告されている副作用は第三世代セフェムのセフトリアキソンに似ているとのこと。そのうち日本でも使えるようになるみたいです。

詳しく知りたければceftaroline とググってみてください。もしくは学校のパソコンから

http://cid.oxfordjournals.org/content/52/9/1156.short

などに。国家試験には1000%出ないけど!



次はLeft ventricular assist device(植込型左室補助心臓)

今週はimmunocompromised host cerviceを回っています。ここで見る患者は免疫機能が極端に低下している状態です。具体的には癌で抗がん剤、移植前後でimmunosuppression agentを使用中の患者です。スタンフォードは移植センターがあるので移植患者が大勢います。

昨日、心筋症で心臓移植を待っていて入院している患者を診察していました。聴診すると心音が聞こえず、MV領域を最強点とする「うぃーん」というモーター音が聞こえてきます。脈を触ったところ、脈がありません。お腹からは直径5mmほどのコードが出てきていて携帯式のバッテリーに繋がっていました。

あとで先生に聞いたところLVAD(エルヴァッドと発音), Left ventricular assist deviceだよ!とのこと。初めてみたのでさっそくググると

http://www.youtube.com/watch?v=kZ1fjrRKJu8

http://blogs.yahoo.co.jp/hirofu222/44790812.html

日本では今月発売のようです。植え込み型でベッドに縛られず、歩き回れるというのがすごいと思います。

しかし移植がほとんどできない日本で実際に使用されるかは不明です。



今日は金曜日。週末はせいやとYosemite National Parkに行ってきます!

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